飲み込まれたクレジットカード 現金化
数年前ウィーンでのできごと。帰国を翌日に控え最後の観光に選んだのは美術史美術館。
フェルメールを始めとする世界でも屈指のコレクションを堪能し、
歩いてホテルまで帰ることにした。ホテルはタクシーに乗るには近すぎ、
歩くのには少々遠い場所にあったが、6月中旬のヨーロッパが一番華やかに感じられる季節。
緯度が高いせいでこの時期は毎日夜の9時くらいまでは明るい。
最後の夜を今晩はどこで夕食を取ろうかと考えながら歩いた。
その時ふと現金の持ち合わせがもう底をついていることに気がついた。
明日は帰国だが午後のフライトなので何かと現金が必要になるかもしれない。
中心街から少し歩いたせいで近くに銀行のATMは見当たらないが、
ちょうど道路を渡りきった建物のそばにATMの機械を見付けた。
クレジットカード 現金化を差し入れて暗証番号を押したがエラーになってしまった。
番号の押し間違いだと思い、もう一度クレジットカード現金化を差し入れて暗証番号を押したその時だ。
クレジットカード現金化がするすると機械に飲み込まれてしまった。
原因はよくわからないがやはり何かエラーのようだ。
あわてて近くを見渡したがあたりに商店などはもとより歩行者の一人も見当たらない。
備え付けの電話を取って管理会社と連絡を試みたがドイツ語で録音された早口のメッセージが繰り返し流れるだけ。
とても私のヒアリング力では理解出来ない。
2~30分もあれこれやってみたがらちがあかないのでとにかくホテルからクレジットカード会社に連絡することにした。
日本語の話せるオペレーター相手に事の次第を報告できたのはもう真夜中に近い頃だった。
オペレーターの指示でクレジットカードは無効にし、
取りあえず帰国してから再度連絡を取ることにした。
結局金銭的な被害などは何もなくクレジットカードの再発行となったが海外でのトラブルはこの程度のことであっても本当に心細いものだ。